圧迫骨折後の自宅療養と再発防止のポイント

本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

家屋調査

このブログでは、腰椎圧迫骨折後の在宅生活における住宅環境についてご紹介しています。

このブログを読むことで、腰椎圧迫骨折後の生活で、注意しなければならない事や住宅改修のポイントがわかります。

スポンサーリンク

概要

まず、腰椎圧迫骨折の概要を確認します。

原因

腰椎圧迫骨折は、腰椎の椎体に縦軸方向の外力が加わることで、椎体が上下から圧迫されて、潰れた状態になる骨折です。(中略)また、骨粗鬆症がんの腰椎転移などによって椎体の構造が脆弱化している場合には、しりもちをつく・腰をひねる・重い荷物を持ち上げる、といった際に微細な外力が加わるだけで骨折を生じることがあります。これらのケースでは、全くきっかけもなく発症することすらあります。

©MedicalNote, Inc.

症状

骨折が生じると、骨折部を中心に非常に強い痛みが生じます。とくに体を動かすと痛むことが多いです。たとえば布団から起き上がる・椅子から立ち上がるなど、腰部に負担がかかる動作が困難になることが非常に多いです。しかし、中にはごく軽い痛みしか訴えない方もいるため、症状が軽いから骨折がない、とは必ずしもいえません。(略)

©MedicalNote, Inc.

検査

腰椎圧迫骨折は、基本的にはレントゲン検査で診断することができますが、怪我をした直後では、まだ骨の形が保たれているために診断がつかないこともあります。(中略)レントゲン検査で腰椎圧迫骨折が疑われた場合、神経症状などがある場合にはCTやMRI検査が行われます。

©MedicalNote, Inc.

治療

腰椎圧迫骨折では、基本的にはコルセット装着などによって患部を安静に保ち、骨癒合ゆごうが生じるのを待つ保存的な治療が行われます。しかし、強い外力による圧迫骨折で、骨折部の変形が神経を圧迫している場合や、痛みが改善しない場合などには、手術によって神経圧迫を解除することもあります。(略)

©MedicalNote, Inc.

住宅環境においてどのような注意が必要でしょうか?

まず、転倒に注意します。次に座る場所に注意します。

転倒については、特に段差に注意することがポイントになります。
自宅内の段差と改修方法についてはコチラ

スポンサーリンク

家の中の座る場所

なぜ、座る場所の注意が必要なのかというと、原因に“しりもちをつく”がありますので、立ち座りの失敗は、しりもちをつく原因になります。

  • ダイニング
  • リビング
  • トイレ
  • お風呂
  • 寝室
  • 書斎
  • 車いす

ダイニング

食卓椅子の高さに注意してください。クッションを使用している場合は、滑り止めマットを使用して、ずれないようにする方法はお勧めです。大きなマットの場合は、切って使用してください。
ダイニングが、床に座ってちゃぶ台を使用して食事をする家庭は、より注意が必要です。
床からの、立ち座りが安全にできるように確認して、少しでも転倒の危険性があれば、椅子での食事に変更を提案します。変更ができないときは、立ち座りに必要な福祉用具を準備します。

リビング

ソファの高さに注意してください。ソファは基本的に低い座面が多く、座ると沈み込みますので立つときに失敗する可能性があります。ソファの横に立ち上がりを補助する置き型手すりやベストポジションバーを設置すると、しりもちをつくリスクを軽減します。

トイレ

便座の高さに注意してください。一般的に約40㎝の高さがありますが、古い便器の場合は、低いものもあります。
便座を少し高くする福祉用具もあります。
手すりを壁に設置することで、立ち上がり動作の失敗を防止します。
トイレ手すりの設置図

標準的な手すり
少し前に設置した場合
斜め手すり

お風呂

浴室の出入り口に手すりを設置して、段差を解消することは、大腿骨骨折の場合と一緒です。
洗体するときの椅子は、確認してください。低い場合には、高いものへの買い替えを提案します。ホームセンターなどにも売っっています。この際しっかりしたシャワーチェアーを購入するのも良いです。

シャンプーには注意してください。椅子に座って前かがみになって頭を洗う動作は、腰椎に負担がかかります。骨折後すぐは、前かがみにならないようにしてください。

湯船に浸かるときは、浴槽内で座る場合の注意が必要です。

  • 浴槽内に台を置いて座る
  • 浴槽内に滑り止めマットを敷く。
  • 立ち座りの時に使用できる手すりを設置する。

提案が多くなってしまいますが、浴室は濡れている場所で滑る危険性が高いので、福祉用具の提案だけでなく、患者さんへの説明もしっかり行って、滑る危険な場所であると認識していただけるようにします。

寝室

ベッドの高さは、一般的には40㎝くらいですが、座って膝よりもお尻の位置が低くならないようにしてください。立ち上がりに不安がある場合は、置き型手すりやベストポジションバーを使用して、立ち座りが安全にできるように提案します。足元には滑り止めマットを敷くと滑りにくくなります。

置き型手すり
ベストポジションバー
滑り止めマット

寝室は布団を使用されている場合は、ベッドへの変更をお勧めします。
畳ベッドもあります

書斎

キャスター付き椅子
座ろうとして、滑って転倒するリスクがあります。
患者さんの認知機能を評価して、キャスター付き椅子を使用するかどうか提案してください。

キャスター付き椅子を使用されている箇所は、全て要注意です。

車いす

自宅で車いすを使用するときは、キャスター付きの椅子と同じように、椅子が動いて座ろうとして転倒する事に注意が必要です。

車いすを使用される方は、入院中に車いすブレーキを安全にできているかどうかが、家でも安全に使用できるかどうかの判断材料になります。

その他

ラグ・玄関マット・キッチンマットなどの敷物が動かないかどうか確認してください。
これも滑り止めマットを使用して、滑りに注意します。

まとめ

今回は、腰椎圧迫骨折後に自宅生活する場合の注意点をご紹介しました。
しりもちをつくことが、再転倒・再骨折のリスクになります。
立ち座りをする個所は、しっかり確認して安全な自宅環境の提案が出来ればと思います。
とても多い骨折の一つですので、注意点もたくさんあると思います。

しりもちをつきやすい病気・バランスが悪くなる病気があります。
診断名や既往歴から腰椎圧迫骨折がなくても、今回のような住宅環境の調整を検討してみてください。

運動器疾患の学習をして、リハビリテーションの質を高めましょう。

コロナウィルスが蔓延しており、オンラインセミナーでの学習をおススメしています。

リハノメ 公式サイトはこちら
おすすめオンラインセミナー(リハノメ)
  • 慢性腰痛症へのリハビリテーション
  • 腰椎椎間関節性疼痛と仙腸関節性疼痛の診方と運動療法の考え方
  • 若手療法士のための整形外科疾患の理解
  • 地域における転倒予防

最後まで読んでいただきありがとうございます。


理学療法ランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました