車いすで病院から退院する方はたくさんいます。
現在、家で車いすを使用している方もたくさんいます。
そして、これからもたくさんいます。
このブログでは、車いす生活する方の役に立つ、住宅改修や福祉用具を紹介しています。
このブログを書いた人
理学療法士15年、訪問リハビリ10年、不動産営業マン10年
福祉住環境コーディネーター2級
回復期病院で住環境の研修会を多数開催
はじめに
介護の内容や範囲によって、住宅の改修や福祉用具の利用も大きく変わります。
このブログを読んでいいただくことで
- 自宅で車いすを使って生活する方は、家のリフォーム箇所が分かります。
- 医療・介護関係者は、車いすで生活をすることになった方への提案が出来るようになります。
- 暮らしやすい家に提案の幅を広げることができます。
車いすで壁を傷つけないようない改修
壁の補強をする
車いすを使用して住宅内を移動すると、どうしても壁に当たる事や、擦る(こする)ことがあります。
長年、車いす生活されていると、廊下や壁のクロスがボロボロになります。
自分の家だから、壁紙やクロスが痛んでも良い方は、そのままにしている人が多いです。
特にコーナーや出入り口付近は、車いすをぶつけることが多く、損傷が激しいです。
壁・クロスを補強することで、廊下や壁の損傷を抑えることができます。
腰板のような高価な改装ではなく、衝撃や破れに強い壁紙で補強をします。
病院では床から40センチ程度の高さまで補強され、壁が傷つきにくくなっています。
自宅では、全面的に補強の必要はありません。
よく当たりそうなコーナー付近を中心に補強します。
一度、担当の福祉用具スタッフにご相談ください。
手すりの撤去
車いすを自宅内で生活する前に、廊下や壁に手すりを設置している住宅も多くあります。
車いすを使用する場合は、不要になった手すりを撤去することも検討します。
手すりの設置は、よく行いますが、手すりの撤去はあまり行いません。
生活環境を整えるときには、撤去も必要な場合があります。
室内の段差を解消する
住宅内には、部屋ごとに段差がある場合があります。最近の住宅はバリアフリー仕様となり、段差が少なくなっています。古い住宅では3センチから5センチ程度の段差はよく見かけます。
段差解消のために擦り付けを設置して、なるべくスムーズに車いすで移動できるように改修します。
洗面所の改修・洗面台が使いにくいとき
車いすを使用すると様々な住宅設備が使用しにくくなることがあります。
車いすが、洗面所に当たり、洗面台に届かなくなるからです。
車いすで使用できる洗面所は、洗面下の収納がないタイプになります
車いすの生活が、長期間になる場合には住宅改修をすることがあります。
車いすで食事をする【場所】と【姿勢】
第一、食事をする椅子は、今まで使用していた椅子が良い。
ダイニングテーブルで食事をする場合は、ダイニングチェアーに座る。
これは、車いすに座る時間を減らし、以前の暮らしに近づくことになります。
第二、車いすの足置き(フットサポート)から足を降ろし、床に足をつけて食事をする。
食事をする時の姿勢は、重要です。
- 食べこぼしが減る
- 呑み込みが良くなる
- 歯のかみ合わせが良くなる。
- むせが減る
- 背筋が伸びる
カットテーブルを使用するとき
車いすから、食席への移動が難しい。
ベッドで、ごはんを食べて欲しくない。
車いすに装着するテーブルがあります。
病院では、車いす用テーブルをカットテーブルを呼び、実際に使用しています。
片麻痺の方の手の置き場所としても使用します。
寝室にはベッド、畳の損傷にも注意する
ベッドへの移乗動作を安全に行うために、ベッドのL型手すり、置き型手すりや、ベストポジションバーなどの設置は必要に応じて配置します。
ベッドの横は、車いすの動きが多くなる場所です。
和室の場合は、畳の損傷が激しくなります。
ラグを敷く、CFシート(クッションフロア)を床に敷くなど、プラス1の提案は良いでしょう。
照明スイッチに配慮して使いやすい提案
寝室やその方の部屋の照明スイッチはリモコンタイプにして手元や枕元に配置する。
床に落とさないように、かごやケース、ストラップを付けるのも良いです。
このブログでは、高齢者の住環境に関する情報を発信しています。
プラスアルファーの提案が生活を楽にする
家電を自宅のネット環境と接続して使いやすくする。
音声認識で、エアコンや照明の使用や血圧などの体調管理のデータ化
火を使わずに調理をする便利キッチン家電はおススメです
玄関をスマートキー対応にする
玄関キーもリモコンタイプがあります。
玄関の鍵のリフォームで変更することも住みやすくなります。
さらに、IoT技術と連動したスマートキーもあります。
設置は、現在使用している鍵の上から簡単に後付けすることができます。
便利な家電・生活用品を導入する
車いすで自宅に退院されると生活は大きく変化します。
全ての物品を購入することは、経済的ではありません。
まず、レンタルで様子を見るというのがおススメです。
コードレス掃除機や、脱臭機能のある空気清浄機など生活家電のレンタルでお試しをするのは賢い選択です。
車いす生活でも使いやすい収納にする
車いす生活では、手の届く範囲がこれまでよりも低い位置になります。
衣類、書類、よく使うものは手の届く高さに、置き場所を変更します。
まとめ
家の中を車いすに合わせた環境にリフォーム、改修する事だけでなく、暮らしやすい住宅を提案することが大切です。
- 不必要な手すり撤去の検討
- 壁損傷の可能性
- 洗面所の使い勝手
- 食事の環境
- 経済的な感覚とお試しの提案
車いすを使って生活をされる方の役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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