「訪問リハビリは、本当につらい?むずかしい?しんどい?」
訪問リハビリは、とてもやりがいがある楽しい仕事ですが、応募者が少なく人員不足です。
PT・OT・STさん、訪問リハビリを始めましょう。
この記事を書いた人
不動産営業約10年
理学療法士約12年
訪問リハビリ8年
宅建士
福祉住環境コーディネーター2級
訪問リハビリ専属の理学療法士が、「スケジュール」、「難しさ」、「知っておくべきこと」を紹介します。
このブログを読んだ後に、訪問リハビリに興味を持っていただければ幸いです。
訪問リハビリの一日のスケジュール
訪問リハビリは20分を1回と表します。
60分のリハビリは3回と計算します。
ある一日の訪問リハビリのスケジュールを紹介します
8時30分 | 出 勤 | スケジュール確認します |
9時00分 | リハビリ3回 | 1件目 60分のリハです。 |
10時30分 | リハビリ3回 | 2件目 移動時間は約30分で設定 |
11時30分 | 昼休憩 | |
13時00分 | リハビリ3回 | 3件目 空き時間はケアマネさんへの連絡 |
14時30分 | リハビリ3回 | 4件目 移動時間にコンビニのトイレへGO |
16時00分 | リハビリ3回 | 5件目 帰社してカルテ書きます |
17時30分 | 業務終了 | 計画書があるときは残業します |
この日は、5人の利用者さんの訪問リハビリでした。
2回(40分)の訪問リハビリが多い日は6件の訪問リハビリをすることもあります。
利用者(患者)さんは、訪問リハビリをキャンセルされることがあります。
主な理由:病院受診、ショートステイの利用、体調不良、生活の都合(家族の帰省など)
キャンセルの空き時間は、リハビリ計画書作成や資料作成を行います。
あなたに訪問リハビリをおすすめする理由
訪問リハビリの人員不足
厚生労働省の資料によると、訪問リハビリは人材不足です
特徴
- 募集して応募者がいたが、能力不足で採用に至らない 33.3%
- 応募者が少ない・いない 66.7%
訪問リハビリには、在宅に関する能力が必要です。
応募者が少なく、応募者は能力不足ということです。
早期に訪問リハビリを開始することができれば、経験の蓄積が療法士として大きな武器になるでしょう。
PT、OT、STの資格取得者数は増加しています
毎年、病院や施設に就職する療法士がたくさんいます。
病院や介護施設の診療報酬は引き下げられ、病院や介護施設の運営は厳しくなっています。
現状では、「療法士の給料は増えない」、「厳しい状況は続く」でしょう。
訪問リハビリテーション事業所は増加しています
地域によって、訪問看護ステーション事業所数が増加し、セラピストがたくさん進出しています。
今後は、訪問リハビリ、訪問看護ステーションのリハビリの報酬改定の可能性があります。
数年後の転職では、年収に違いが出てくる可能性があります。
訪問リハビリの適性を紹介
多くのPT・OT・STは訪問リハビリで活躍できると思っています。
訪問リハビリに適性がある人
- 生活の中で患者さんに良くなってもらいたい
- 家で安全に生活してほしい
- 病院・施設のリハビリの質を見直したい
- 患者さんの活動に関わったリハビリがしたい
- 看取りまでリハビリを提供したい
- 医療・介護・福祉以外の分野の勉強ができる
- リハビリの知識を活かして地域を良くしたい
複数当てはまる人は、訪問リハビリの仕事に適性があります。
訪問リハビリを開始できない理由
病院のリハビリにも自信がないのに、訪問リハビリはもっと無理。。。
- 自分には無理
- 自分にはまだ早い
- もっと勉強してから訪問リハビリを開始したい
療法士として、リハビリの技術・知識の向上はずっと続きます。
訪問リハビリを開始直後は、判断に困ることやわからない事はあります。
経験年数を積んでも、訪問リハビリ経験がなければ、課題を解決する能力は向上しません。
訪問リハビリに適正がない人
全員に訪問リハビリは出来ると書きましたが、適正がない人はいます。
- 生活期や地域に興味のない人
- 特定の疾患のリハビリを行いたい人
- 多職種連携に興味がない人
訪問リハビリをやりたくない人は無理しないでください。
訪問リハビリでは、物理療法などのリハ機器が限定されます。
ケアマネージャーさん、かかりつけ医、看護師さん、ヘルパーさん、多職種連携で利用者(患者)さんのADLやQOLの向上を目指します。
知られていない訪問リハビリの楽しさ
- 生活に関わるリハビリができる
- 活動・参加にかかわることができる
- 多職種連携を実感できる
- 幅広い知識が自然と身につく
- 地域・コミュニティーに貢献できる
- 家族さんの負担を軽減できる
訪問リハビリの楽しさは多すぎる~
訪問リハビリの楽しさは、ここでは書ききれません。
- あなたのリハビリで、利用者(患者)さんの生活の質が向上します。
- あなたのリハビリで、利用者(患者)さんの人生が変わります。
- 洗濯物が干せるようになった。
- 買物に行けるようになった。
- 料理が作れるようになった。
- 車椅子を使わなくなった。
- 口から食べれるようになった。
- 2階に寝室を戻せた。
生活に関わるリハビリの実例紹介
片麻痺の方の「ゴミ出し」練習を紹介します。
「ゴミ出し」は大変な家事です。
「可燃ごみ」「プラスチックごみ」「かん・びん」「ペットボトル」ごみを分別して、ごみステーションに出すこと。ヘルパーさんや近所の方に手伝ってもらう場合もあります。
「ゴミ出し」が出来たときは、大変うれしかったです。
訪問リハビリを行わないと感じられない喜びだと思いました。
訪問リハビリのしんどいところ
- 急変など対応力が必要
- 報告・連絡・相談はしっかりやる
- 突然の別れがある
- 移動時間や担当者会議などの時間調整
- 気温や気候の影響がある
それほどしんどくないですよ~
様々な体験や経験が、療法士として成長する糧となります。
社会人として成長し、管理者や責任者の人格形成に役立ちます。
訪問時の対応力
訪問したときに、利用者さんが体調不良の場合があります。
発熱・急激な浮腫・強い疼痛など、いつもと違うことが起きたときには対応力が必要です。
朝から主人が痛がってたけど、訪問リハビリで診てもらえますか?
すぐに病院で診察が必要だ
利用者さんの家族から、医療人として受診の判断を相談されることがあります。
判断に困ることもありますから、職場スタッフや看護師に相談できる体制があると働きやすくなります。
利用者(患者)さんの急変時の対応、著しい体調の変化、リハビリスタッフの体調不良など不測の事態に備えた対処方法を決めておくと安心して訪問リハビリに集中できますね、
訪問リハビリを始めるときに知っておくべきこと
訪問リハビリは、特別なリハビリではありません。
病院・施設リハビリの経験は、訪問リハビリでも十分に活かせます。
訪問リハビリと病院・施設リハビリとの違い
- 病院・施設以外の多職種との連携
- 介護保険制度
- 住環境調整
- 福祉用具
- 療法士全般の知識
- 地図
訪問リハビリの介入してショックを受けました。
回復期病院でやってきたFIM利得アップがすべてじゃない。
1人暮らしの高齢者の見守りなんてできない。
利用者さんに対して治療プログラムを考える点は、病院・施設リハビリと同じです。
「施設内の安全な移動」→「自宅内の安全な移動」と考えます。
「スタッフの食事介助」→「家族さんの食事介助」と考えます。
制度や知識は完璧に覚えるよりも、働きながら覚えることもできます
当ブログでは、訪問リハビリに役立つ情報を中心に紹介しています。
家族さんの介助とは、医療・介護のスタッフではありませんので、わかりやすく、専門用語を使わずに説明する必要があります。
介護方法は説明書を作ってお渡しすることもあります。
例)「車いすからベッドに移るときの介護方法」など
多職種連携
介護サービスを受ける利用者さんにとって、ケアマネージャーさんの役割は大切です。
マネージメントの中心として、信頼関係は必須です。
- 連絡と報告
- リハビリ専門職としての発信
- 人としての繋がり
介護サービスチームが、連携を深くしていくことで利用者さんのQOLの向上にも繋がります。
サービス担当者会議
多職種連携のひとつに、サービス担当者会議があります。
利用者さんのサービスについて、会議が行われます。
サービス担当者会議の制度や目的だけでなく、訪問リハビリへの要望もまとめています。
ケアマネージャーさんは、提案力のあるリハビリ職を信頼します。
住環境調整
安全な生活は、安全な環境から
利用者さんの身体状況がわかるリハビリ職には、「危険察知能力」が優れている。
これまでの経験をもとに、住宅改修の記事を書いています。
住宅改修の提案に役立つ、手書きで間取りの書き方を書いています。
訪問リハビリを始めてみたいと思ったら
職場に訪問リハビリ部署がある場合
「異動願い」「異動希望」を出してください。
職場に訪問リハビリ部署がない場合
転職を検討してください。
PT/OT/ST専門の転職サイト・転職エージェントがありますので、安心して転職活動を開始できます。
好条件の転職先を見つけるために、早めの登録をおすすめします
転職先は、地域によって求人数が違います。
良い条件の求人に出会うために、登録して話しだけ聞いてみる。
動き出さないと、何も状況は変わりません。
まとめ
訪問リハビリの仕事の紹介をしました。
私は、訪問リハビリの仕事がとても楽しいと感じています。
一番の魅力は【生活が改善する】ことです。
是非皆さんにも、利用者(患者)さんの生活が改善する支援が出来ることの喜びを感じてほしいと思っています。
★訪問リハビリに向いている人
- 生活のリハビリがしたい
- リハビリの専門性を生かして地域を活性化したい
- 療法士として経験を積みたい
★訪問リハビリを早期に開始した方がいい理由
- 求人の応募者が少ない
- 介護保険分野のリハビリは拡大していく
- 独立を視野に入れて、生活期に介入したい
当ブログでは、訪問リハビリ・退院前訪問指導・高齢者の住環境についての発信をしています。
住環境の提案に関しては、部屋ごとの調整、疾患ごとの注意点などをわかりやすく解説しています。
地域で活躍するリハビリ職を応援します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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