病気や怪我によって、歩くことができなくなった時に車いすを使用します。
車いすを使うことになったときに、家で安全に生活できるように、改修や検討しなければならないことがあります。
考えないといけないことは、たくさんあります。
このブログを読んでいただければ、
自宅で車いすを使って家に退院するときの住宅改修や介護用品の選定ポイントがわかるようになります。
住みやすい住宅に改修や改築できるようになります。
医療・介護従事者の方は、より良い提案が出来るようになります。
家の出入り
家に入ることができるかどうか。家から出かけられるかどうか。
これは、言葉では簡単ですが、非常に重要で難しい問題の一つです。
別の言い方をすれば、家に入るための段差がクリアできるかどうかです。
介護や身の回りの世話をする方には、介護力に違いがあります。
介護経験の豊富な家族さんであれば、改装項目も少なくても良いと思いますが、高齢の患者さんを高齢の家族が介護するケースはよくあります。誰でも、家の出入りができることが理想ですが、階段がある家ではできないこともあります。
医療や介護の現場で働く人であっても、介護力に個人差があります。
この人でないとできない環境ではなく、誰でも介護できる環境を目指すように検討します。
スロープ
置き型スロープ
最もオーソドックスな段差を解消する方法です。
折りたたみ式スロープを設置して、外出の時に利用します。
スロープの勾配(こうばい)(傾斜角度のこと)は、1/12〜1/15が良いとされています。
現実的には、1/6~1/8で利用することが多いです。
1/12の勾配とは、1mの高さを上がるために、12mの長さのスロープを設置する
これほど緩やかな勾配のスロープは住宅改修では現実的ではないと考えます。
提案する側が、車いすを押して移動するときに安全と感じる勾配を知っておく必要があります。
スロープ工事
住宅改修としては大きな工事になりますが、スロープを作ることもあります。
段差の高さ、敷地の広さによって様々な形状が検討できます。
直線型スロープ
車いすで移動しやすいというメリットがあります。長いスペースが必要です。
曲がり型スロープ
省スペースで設置しやすいメリットがあります。方向を変える場所は、スロープ幅に余裕が必要です。また、脱輪・転落防止のために手すりなどが必要です。
階段の改修
玄関までの階段が曲がっている場合は、折りたたみ式スロープの設置も難しい場合があります。スロープが設置できるように階段部分を一部改修することもあります。
段差が小さければ擦り付けを設置して、移動する事も検討できる場合があります。
公営住宅1階の階段
公営住宅には、1階の住宅でも階段があることがあります。最近の公営住宅は、スロープが設置されている場合がありますが、古い場合住宅にはスロープはなく階段だけです。車いすの車輪に合わせた長いスロープを設置することで、移動できますが難しく難易度は高いです。2人以上の介護をお勧めします。
写真は、高さ1mの階段に、3mの長さのスロープを設置しています。一人で車いすを押して昇降の介護をするのは危険です。
昇降機
玄関まで車いすで入り、室内への移動は昇降機
椅子型の昇降機は、車いすから椅子への移動ができる人向けです。コンセントがあれば、狭くても設置可能です。
屋外の階段で使用するリフト
屋外に長い階段がある場合には、リフトに座って階段の移動を行います。設置費用が高額になります。定期的なメンテナンスも必要です。
車いすのまま入室する昇降機
車いすから、椅子への移乗が難しい場合や車いすのまま入室する場合には、昇降機があります。
駐車場や庭に設置し、室内に入室することになります。介護保険のレンタル対象になりますが、設置には広いスペースが必要です。
車いす座面調整
車いすの座面調整をするKiso(キソ)をご紹介します。
車いすの座面は、たわみがあります。これは、折り畳みのために座面はたためるようにするためです。
このたわみのために、座面の真ん中の部分が沈んだように感じます。
車いすの座面調整のために、クッションを用意することが非常に多いです。
Kiso(キソ)は、たわみを埋めてくれる発泡スチロールです。
特徴は、軽量で安価であることです。
これまで、医療や介護のスタッフが、座面を平らにするために、材料を集めて座面調整を行ってきました。私も、座面を平らにする物品の作り方の勉強会に参加したことがあります。
それほど、座面を平らにすることは重要であるということです。
まとめ
車椅子を使用して、家に帰る場合には福祉用具の利用や住宅改修が必要になる場合が多い
福祉用具の選定は
- スロープを設置することが可能
- スロープ設置のために改修が必要
- スロープ設置の形状を検討する
- 階段が長い場合にはリフト設置も検討
- 車いすから立ち上がれなければ、大型のリフトになる場合あり
車いすの座面が平らにすることは車いす生活の第一歩となる。
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