こんにちはビビです。
訪問リハビリテーション専属でリハビリをしている理学療法士です。
毎日訪問リハビリで、利用者さんの生活の質(QOL)の向上に取り組んでいます。
このブログでは、訪問リハビリのメリット・デメリットと、上手に活用する方法を紹介します。
訪問リハビリを上手に活用するには、「訪問リハビリのできることを知っておく」です。
知っていれば、「これは訪問リハビリの人に聞いてみよう。」となりますね。
訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅でリハビリを行います。
その他、家で受けられる医療行為があります。
医師が、自宅を訪問して診察・治療を行う訪問診療
看護師が、自宅を訪問して看護を行う訪問看護
訪問リハビリテーションの目的
訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)の目的は、利用者の実際の生活の場にお伺いして、
抜粋:一般財団法人 訪問リハビリテーション振興財団
日常生活の自立と家庭内さらには社会参加の向上を図ることが目的です。
実際には、心身障害、生活障害、住環境等を確認して自宅生活の中で利用者自身の機能維持・向上を図りつつ、医療機関では行うことができない実際の生活場面に即した能力的な部分へのアプローチを行っていくことができるサービスです。
厚生労働省が発表した令和2年8月のデータ
訪問リハビリテーション事業所数
訪問リハビリテーションの利用者数は11万人を超える
上記の事業所数と利用者数には、訪問看護による訪問リハビリの件数は含まれていません。
訪問リハビリの事業所数・訪問リハビリの利用者数は増加しています。
訪問リハビリが利用できない地域も、今後は利用可能となる可能性があります。
現在、訪問リハビリを受けていない人は、このブログを読んで利用するかどうかの参考にしてください。
訪問リハビリを利用するメリット
実際の家の環境で、リハビリができる
最大のメリットは、自宅の玄関・ベッド・トイレ・浴室など、自宅のすべての場所で、リハビリを行うことができる。
病院や通所リハビリでは、模擬的な環境でリハビリを行いますが、訪問リハビリでは実物を使って練習を行うことができます。
決まった訪問時間でスケジュール立てやすい
毎週〇曜日 〇時~
リハビリが開始される時間と終了時間が決まっています。
訪問リハビリの時間に合わせて準備を行い1対1でリハビリを受けることができる。
マンツーマンでリハビリを受けることができる。
訪問リハビリは、療法士とマンツーマンでリハビリを受けることができます。
私の病院では、40分or60分のリハビリを提供しています。
利用時間は、介護保険のリハビリで内容や希望によって調整しています。
ケアマネージャーさんとも調整を行います。
介護が必要な家族は、療法士に直接質問ができる
医療的知識のある療法士に、介護の事だけでなく、様々な質問ができます。
※医療上の質問については医師でなければ返答できない場合があります。
実際の介護場面で「お手本」をしてもらうことができます。
車椅子からベッドに移るときの介護の方法を教えてください。
分かりました。
実際に行ってみますので寝室に移動してもよろしいでしょうか?
といった感じで、リハビリを行うことができます。
これは、家族に限らず訪問看護師さんや訪問ヘルパーさんに対しても助言を行うことがあります。
住みやすい住宅改修の提案を受けることができる
病気や怪我で病院を退院された方は、退院時住宅改修提案などを受けた方もいらっしゃると思います。
これは、退院時の患者さんの能力に合わせて提案されていること場合があります。
退院後〇ヶ月経過した患者さんは病気や怪我の状態が変わっている場合があります。
現在のお身体に合わせて、住環境の提案を受けることができます。
自宅周辺の環境に合わせて、外出リハビリを受けることができる
自宅から外出する想定でリハビリを行うことができ、自宅周辺の環境の注意点などのアドバイスを受けることができます。
知らないところに行くときは、利用者さん・介護者さんとリハビリスタッフで一緒に行くことができます。
時間の制約があるので、限られたことしかできないかもしれませんが、付き添って歩くときの注意点や、車いすを押すときの注意点などを聞くことができます。
買物練習を行う記事はコチラ
身体に合わせて福祉用具の提案を受けることができる
先ほどは住環境についての提案でしたが、福祉用具や補助具に対しての提案を受けることができます。
リハビリを頑張って、お身体が元気になってきた方には、現状にあった福祉用具への変更のアドバイスを受けることができます。
人の身体も気持ちも変化します。
退院直後は、動かなかった手足も徐々に動くようになります。
退院直後は、下向きだった気持ちも、徐々に前向きになってきます。
その時に、使える福祉用具や補助具の提案を受け、前向きに生活を変えていくことができます。
これまで紹介した福祉用具・自助具はコチラ
残念ながら、逆のケースもあります。
退院直後は元気だったお身体が、徐々に弱くなり、気持ちも落ち込む場合があります。
高齢者であれば、加齢による低下もなるでしょう。
その他、日常のちょっとした買い物などの相談もできます。
父のパジャマは「かぶり」と「前開き」どちらに買い換えたらいいですか?
肩が動かしにくいので、前開きのパジャマをお勧めします。
ボタンも大きめの方がいいですよ。
いつまでも退院したときの環境や状態で生活するのではなく、現状に合わせた調整を受け続けることができます。
病院の情報から、周りの状況を聞くことができる
コロナ禍では、感染拡大のニュースが報じられていますが、近隣ではどのような感染状況になっているか知ることができます。
医療従事者がどのような感染対策を行っているかを聞くことができます。
他の利用者さんがどのような感染対策をしているかを聞くことができます。
通所系の介護サービスを継続するかどうかの判断に役立てている方もいます。
リハビリ以外の質問ができる
最近話題の〇〇という薬
テレビショッピングでみた商品についての意見
テレビで特集していた〇〇リハビリについて
近隣で評判のいい整形外科
他の利用者さんが受けている介護サービスについて
学校・レストラン・スーパー・解体中のビルの跡地に新築される建物
など。
リハビリスタッフは各所でいろいろな情報を聞いてきている場合があります。
話し相手になる
リハビリスタッフは、患者さん・利用者さんの思いを傾聴することを指導されてきています。
話しを聞いてくれる人が多いです。
利用者さんは、愚痴を話される方もいます。
家族さんからも、色々な事をお聞きすることがあります。
解決できないようなこと、立ち入れないようなことなどもあります。
聞くだけになってしまうこともありますが、会話の中から本人の目標が見えてくる場合もあります。
訪問リハビリのデメリット
担当制の場合は、リハビリの効果が担当の能力によって変わる
調理訓練が得意な療法士・動作練習が得意な療法士・雑談が多い療法士など家に来る人によってリハビリの内容が変化します。
苦手なタイプの人
性格が合う・合わないなど療法士との相性が悪い
家族が家に人を呼びたくない
本人が訪問リハビリを希望しても、同居の家族が希望しない場合は、リハビリできません。
デメリット解消方法
担当者を変えてもらいましょう
ケアマネージャーさんを通して、訪問リハビリの担当者を変更してもらう
ケアマネージャーさんを通して、別の訪問リハビリの事業所に変更してもらう
我慢せず変更した方が良いと思います。
リハビリ効果にも差がつく場合もあります。
やめてほしいこと
私の気持ちになりますが、訪問リハビリのスタッフにやめてほしい事を簡単に紹介します。
- お茶を出す
- 現金を渡す
- お土産を渡す
- 利用者さんへの質問に家族が代わりに返答する
お茶を出されたり、物やお金を渡されても受け取ることはできません。
お気持ちだけで十分です。
断るのも、気を使いますので何も渡そうとしないでください。
雑談では、利用者さんへの質問に家族が代わりに返答することは結構ですが、検査を行っている最中に答えやヒントを言うことは控えてください。再検査になる場合があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
訪問リハビリのメリットとうまく活用する方法を紹介しました。
「リハビリで出来る事」「リハビリスタッフを家に来るメリット」は様々です。
これまで訪問リハビリを利用していない方は一度ご検討ください。
このブログが、リハビリでお悩みの方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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