退院前訪問指導で家屋評価の前に、準備しておくことを説明します。
ブログを書いた人
- 理学療法士、宅建士、訪問リハビリ10年、病院5年、不動産業10年
- 多数のサービス担当者会議に出席
- 不動産業営業からPTに転職し、訪問リハ&住宅改修情報を発信中
不安な気持ちで【住宅改修の提案】していませんか?
家屋評価に行く前にこんなこと思ったことないですか?
- うまくいかなかったらどうしよう
- 提案もできなかったらどうしよう
- セラピストとして一人で調査に行くって不安
- 手すりの付けれない階段があったらどしよう
医療従事者にとって住宅改修の提案は『難しい』『時間がかかる』です。
このブログをみて準備してください。
事前評価としてバッチリだと思います。
逆に、このブログで紹介する準備をしていかないと、現地であわてて評価して提案までしないといけなくなるかもしれません。
ここに書いていないようなことが出た場合は、持ち帰って再検討しても良いと思います。
<使いやすい手すり>高さは病院で測っておく
患者さんの杖の高さは〇〇㎝ ← 評価してメモって行く
杖の高さを参考にすると良いと思います。
手すりは、低いよりは高い位置の方が使いやすいと思われます。
患者さんの事だけでなく、家族様の事も考慮してください。
車いすを利用されている家族様がいる場合には、手すりをつけることで、廊下幅の減少になり通りにくくなることがあります。
縦手すりの場合には、立ち上がりや段差昇降なども想定しています。
- 患者さんが座って持ちやすい、手すりの位置を計っておいてください。
- 患者さんが立って持ちやすい、手すりの高さを計っておいてください。
家屋調査時に縦手すりの必要な個所を間違えにくくなります。
登れる段差・階段の高さは〇cm
手すりがあれば○○㎝まで昇降できる。スムーズに昇降できる高さ〇〇㎝。
40㎝の段差昇降がある家に、20㎝の昇降しかできない方が住むことは難しいでしょう。
たとえ、手すりを設置したとしても非常に難しい動作になります。
この場合は、段差解消の台などを設置します。
40㎝=20㎝×2段に分割すると昇りやすくなります。
病院で、楽に昇降できる高さを評価しておいてください。
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立ち上がり可能な椅子の高さは〇cm
○○㎝の椅子からは立ち上がれる ← メモって行きましょう
自宅ではどのような椅子に座っているか分かりませんね。
立ち上がり可能な椅子の高さはこのような場面で必要になります。
- 食卓椅子
- 便座
- ソファ
- 自室の椅子
- ベッドの高さ
- シャワーチェアー
- 浴槽内台
在宅では、椅子からの立ち上がりは頻繁に行います。
便座の高さからの立ち上がり能力は絶対必要になります。
便座の高さも家によって、建築年月によって多少異なります。
椅子からの立ち上がり動作の評価
- 何も持たずに立てる椅子の高さ
- 手すりを持てば立てる椅子の高さ
- ひじ掛けを持てば立てる椅子の高さ
異なる環境で事前評価を行っておくと良いでしょう
事例)福祉用具を選択するときに役立つ椅子の高さ
〇〇さんが座れるイスの高さは15cmまでです。
浴槽内で使用できる椅子はありますか?
浴槽内で10㎝まで下げることができる福祉用具は『A』『B』があります。
将来もっと低くまで座れる可能性があるなら『B』をおススメします。
ありがとうございます。
将来、少し低い椅子にも座れるようになると思います。
今回は『B』選択しましょう。
浴室の動作は、できる範囲で評価していく
浴槽内台の高さは能力や環境、介護力の差によって大きく異なります。
浴槽にお湯が入ると、浮力の影響により、より簡単に浴槽に座ることが出来ます。
立ち上がりも浮力の影響を受けます。
お湯を入れた浴槽では、動作の難易度が大きく異なるので、最悪の場合も想定しておくことも大切です。
実際の浴槽へのしゃがみ動作は、できる人も多くいる印象があります。
お湯を入れた場合の動作が想像できない場合は、提案書には「浴槽内台をいれて、入浴すると安楽になります。」と表示すると良いでしょう。
床からの立ち上がりは必要な動作
できる or できない or 介助があればできる
必ず評価が必要な人
- こたつを使用する
- 布団で就寝する
こたつ
床からの立ち上がり動作が、安全にできるかどうか。
ふとん
退院後、ベッドに変更することは、受入れが悪い場合もあります。
高齢者に「病院側の理論」を押し付けても、本人には不満が残ります。
キーパーソンも一緒に理解してもらって、ベッド使用の準備を進めましょう。
ベッドサイドに「たちアップ(置き型手すり)」や「ベストポジションバー」の設置も提案すると良いと思います。
床からの立ち上がり動作の難易度は非常に高いです。
在宅生活ではとても重要な動作になります。
多くの高齢者は転倒しているからです。
骨折などの入院に至らない転倒は数多く起きています。
私の印象では、100%に近い確率で退院後に転倒されています。
自宅内の転倒が多く、転倒後の立ち上がりに苦慮されるケースは少なくありません
リハビリで練習した動作が出来るとは限りませんが、入院中に床からの立ち上がり動作の練習をしておきましょう。
動作ができない方や、さらにリスクを感じる場合には、介助指導を行いましょう。
ベッドの高さは病院で決める
病室のベッドの高さは〇〇㎝ ← メモって行きましょう
病室のベッドの高さを測っておきましょう。
マットレスの沈み込みも確認して、高さの確認だけでなく、動作や姿勢の評価を行っておくと、自宅のベッドのマットレスの沈み込みも考慮しやすいと思います。
ベッドの必要モーター数は決めておく
退院後にベッドの使用を始める方は、ベッドのタイプを検討しておきましょう。
- 電動のリクライニング
- 高さ調整が必要
- 足の部分も動かせる
起き上がり動作に介助を要する方は、電動リクライニングを使用する場合があります。
介護保険でベッドのレンタルは、要介護2からです。
要介護1、要支援の方は、ケアマネージャーと相談してください。
自立している方やベッド柵を把持すれば起き上がれる方は、電動リクライニングを使用しないことが多いと思います。
ベッドの横にテレビを置き、寝ながらテレビを見る習慣の方は、リクライニングで少し頭を上げ見ている場合もあります。
病室での過ごし方の様子を確認しておきましょう。ベッド柵は可動式が使い勝手が良いようです。
病室で使用されているなら、提案書には掲載した方が良いです。
必要なもの・持ち物を紹介
必要なもの
- メジャー(コンベックス)
- 紙テープ
- カメラ
- 福祉用具カタログ
- バインダー
- 筆記用具
- 方眼紙
- 名刺
必要な場合に持っていくもの
- 杖や歩行補助具
- 敷台
- 浴槽内台
- スリッパや靴下
メジャー:メジャーは、高さや幅を計るときに使用します。手の届かないところも測ることがあるので、布製のものよりもコンベックスがいいと思います。
紙テープ:手すりや福祉用具の設置場所にマーキングを行う。同席できなかった家族や改装業者にも正確に伝えることが出来ます。
紙テープの場合は、貼ったテープをはがすときに、比較的壁を傷めにくいため使用しています。ビニルテープは、痕や粘着のりが残る場合もありますので使用の場合は注意してください。
カメラ:改装箇所の写真を保存しておきましょう。改装提案書に写真付きで資料を作成しましょう。スマホでも良いと思います。
後に事務所で提案書の作成がしやすいものをお勧めします。
福祉用具カタログ:現地で提案を行うときに、写真などを見ながら提案できるため便利です。
現地で想定外の提案にも対応できます。病院で使用しているものであっても、家族さんに説明するときに使用します。
言葉では伝わらないことも、写真を見ればすぐにイメージできます。
バインダー:現地でメモを録るときに使用します。間取り図の作成にも役立ちます。立って書くことが多いので、私には必須アイテムです。
筆記用具:現地でメモを録るときに使用します。間取り図の作成にも役立ちます。
筆記用具二色以上のペンを用意して、間取り図の作成と今回提案する手すりの場所などを色分けで記入します。
三色あれば段差やその他の書き込みも色違いで記入できて便利です
方眼紙:間取り図を書くときに大変便利です。
間取り図は事前に家族様にいただけるといいのですが、ない場合は、現地で家を見て書くことがあります。
間取り図を現地で書くことは、慣れるまで難しいですが、方眼紙の枠に沿って間取り図書くとあとでイメージしやすいです
まとめ
病院で準備・評価しておくこと
- 手すりの高さ
- 昇降できる段差の高さ
- 座れるイスの高さ
- ベッドの種類・高さ・モーター数
今回は、家屋調査が決まったら確認しておくべき評価と、当日にもっていくものを書いてみました。
ほとんどのケースでこれらの評価や物品で対応できると思います。
無事に家屋調査ができるように応援しています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました
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