圧迫骨折後の自宅療養と再発防止のポイント

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家屋調査

このブログでは、腰椎圧迫骨折後の在宅生活における住宅環境についてご紹介しています。

このブログを読むことで、腰椎圧迫骨折後の生活で、注意しなければならない事や住宅改修のポイントがわかります。

この記事を書いた人

ビビ
ビビ

理学療法士15年・訪問リハビリ10年・元不動産営業マン
宅地建物取引主任者・福祉住環境コーディネーター2級
訪問リハでは、不動産営業マンの経験を活かして活躍中

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概要

腰椎圧迫骨折の概要を確認します。

原因

腰椎圧迫骨折は、腰椎の椎体に縦軸方向の外力が加わることで、椎体が上下から圧迫されて、潰れた状態になる骨折です。(中略)また、骨粗鬆症がんの腰椎転移などによって椎体の構造が脆弱化している場合には、しりもちをつく・腰をひねる・重い荷物を持ち上げる、といった際に微細な外力が加わるだけで骨折を生じることがあります。これらのケースでは、全くきっかけもなく発症することすらあります。

©MedicalNote, Inc.

症状

骨折が生じると、骨折部を中心に非常に強い痛みが生じます。とくに体を動かすと痛むことが多いです。たとえば布団から起き上がる・椅子から立ち上がるなど、腰部に負担がかかる動作が困難になることが非常に多いです。しかし、中にはごく軽い痛みしか訴えない方もいるため、症状が軽いから骨折がない、とは必ずしもいえません。(略)

©MedicalNote, Inc.

検査

腰椎圧迫骨折は、基本的にはレントゲン検査で診断することができますが、怪我をした直後では、まだ骨の形が保たれているために診断がつかないこともあります。(中略)レントゲン検査で腰椎圧迫骨折が疑われた場合、神経症状などがある場合にはCTやMRI検査が行われます。

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治療

腰椎圧迫骨折では、基本的にはコルセット装着などによって患部を安静に保ち、骨癒合ゆごうが生じるのを待つ保存的な治療が行われます。しかし、強い外力による圧迫骨折で、骨折部の変形が神経を圧迫している場合や、痛みが改善しない場合などには、手術によって神経圧迫を解除することもあります。(略)

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家族さん
家族さん

住宅環境においてどのような注意が必要でしょうか?

ビビ
ビビ

家の中での転倒に注意します。次に座る場所に注意します。

転倒については、特に段差に注意することがポイントになります。
自宅内の段差と改修方法についてはコチラ

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転倒の原因と対策について紹介

圧迫骨折を予防するため、高齢者が自宅で転倒を避け、特にしりもちをしないようにするためには、住環境における以下のポイントに注意が必要です。住宅環境の中でリスクを軽減できる改善策について解説します。

床の段差や滑りやすさ

段差解消: 玄関や廊下、部屋の出入口など、つまずきやすい段差を可能な限り解消するか、緩やかにするようにリフォームすることが大切です。特に和室から洋室に変わる場所や、玄関の段差が高いと転倒リスクが上がります。

滑り止めの工夫: フローリングやタイルなど、滑りやすい床材には滑り止めシートやマットを設置し、安全な歩行ができるようにすることを推奨します。特に浴室や台所は水で濡れることが多く、滑りやすいので注意が必要です。

照明の工夫

十分な明るさの確保: 夜間や早朝など、足元が見えにくい時間帯の転倒を防ぐため、廊下や階段、トイレ、寝室などに明るい照明を設置します。特にセンサーライトやフットライトを取り付けることで、移動時の安心感が高まります。

照明スイッチの位置調整: 手が届きやすい場所に照明スイッチを設置することで、暗闇の中で歩き回る必要がなくなり、転倒のリスクを減らせます。
特に『アレクサ』『照明リモコン』の利用がおすすめです。

手すりの設置

手すりの活用: 玄関や階段、トイレの近くには、手すりを設置することで体の安定を保ちやすくなります。立ち上がる際や階段の上り下り時にサポートが得られるため、特に下半身の筋力が弱くなりがちな高齢者にとって重要です。

ベッド周りや浴室にも設置: 特にしりもちを防ぐために、ベッドの横や浴室にも手すりがあると、起き上がりやすくなり、転倒予防につながります。

使いやすい家具配置

歩行スペースの確保: 室内を移動しやすくするため、家具の配置を見直し、十分な通路を確保します。狭い場所での方向転換や立ち回りでのつまずきを防ぐことができます。

安定した椅子の選定: キャスター付きの椅子は不安定になる場合が多いため、座る時や立ち上がる時に動きやすい椅子を避け、固定式でしっかりとした安定感のある椅子を選ぶと安全です。

家の中の座る場所

なぜ、座る場所の注意が必要なのかというと、原因に“しりもちをつく”がありますので、立ち座りの失敗は、しりもちをつく原因になります。

  • ダイニング
  • リビング
  • トイレ
  • お風呂
  • 寝室
  • 書斎
  • 車いす

ダイニング

食卓椅子の高さに注意してください。クッションを使用している場合は、滑り止めマットを使用して、ずれないようにする方法はお勧めです。大きなマットの場合は、切って使用してください。
ダイニングが、床に座ってちゃぶ台を使用して食事をする家庭は、より注意が必要です。
床からの、立ち座りが安全にできるように確認して、少しでも転倒の危険性があれば、椅子での食事に変更を提案します。変更ができないときは、立ち座りに必要な福祉用具を準備します。

リビング

ソファの高さに注意してください。ソファは基本的に低い座面が多く、座ると沈み込みますので立つときに失敗する可能性があります。ソファの横に立ち上がりを補助する置き型手すりやベストポジションバーを設置すると、しりもちをつくリスクを軽減します。

トイレ

便座の高さに注意してください。一般的に約40㎝の高さがありますが、古い便器の場合は、低いものもあります。
便座を少し高くする福祉用具もあります。
手すりを壁に設置することで、立ち上がり動作の失敗を防止します。
トイレ手すりの設置図

標準的な手すり
少し前に設置した場合
斜め手すり

お風呂

浴室の出入り口に手すりを設置して、段差を解消することは、大腿骨骨折の場合と一緒です。
洗体するときの椅子は、確認してください。低い場合には、高いものへの買い替えを提案します。ホームセンターなどにも売っっています。この際しっかりしたシャワーチェアーを購入するのも良いです。

シャンプーには注意してください。椅子に座って前かがみになって頭を洗う動作は、腰椎に負担がかかります。骨折後すぐは、前かがみにならないようにしてください。

湯船に浸かるときは、浴槽内で座る場合の注意が必要です。

  • 浴槽内に台を置いて座る
  • 浴槽内に滑り止めマットを敷く。
  • 立ち座りの時に使用できる手すりを設置する。

提案が多くなってしまいますが、浴室は濡れている場所で滑る危険性が高いので、福祉用具の提案だけでなく、患者さんへの説明もしっかり行って、滑る危険な場所であると認識していただけるようにします。

寝室

ベッドの高さは、一般的には40㎝くらいですが、座って膝よりもお尻の位置が低くならないようにしてください。立ち上がりに不安がある場合は、置き型手すりやベストポジションバーを使用して、立ち座りが安全にできるように提案します。足元には滑り止めマットを敷くと滑りにくくなります。

置き型手すり
ベストポジションバー
滑り止めマット

寝室は布団を使用されている場合は、ベッドへの変更をお勧めします。
畳ベッドもあります

書斎

キャスター付き椅子
座ろうとして、滑って転倒するリスクがあります。
患者さんの認知機能を評価して、キャスター付き椅子を使用するかどうか提案してください。

キャスター付き椅子を使用されている箇所は、全て要注意です。

車いす

自宅で車いすを使用するときは、キャスター付きの椅子と同じように、椅子が動いて座ろうとして転倒する事に注意が必要です。

車いすを使用される方は、入院中に車いすブレーキを安全にできているかどうかが、家でも安全に使用できるかどうかの判断材料になります。

その他

ラグ・玄関マット・キッチンマットなどの敷物が動かないかどうか確認してください。
これも滑り止めマットを使用して、滑りに注意します。

転倒以外の圧迫骨折の原因について解説

圧迫骨折の原因には、一般的な転倒以外にも珍しいケースがあります。高齢者が注意すべき圧迫骨折のリスクを減らすための意外なポイントをいくつかご紹介します。

急な体のひねりやねじれ

    リスク要因: 急に体をひねったり、ねじったりする動作は、背骨に過度な負担をかけるため、骨が弱くなっている高齢者にとっては圧迫骨折の原因になります。
    対策: 重い荷物を運ぶ際や、掃除などで体を無理にひねるような動作は避け、膝や腰に負担の少ない姿勢を保つことが大切です。

    くしゃみや咳

      リスク要因: 骨密度が低下している高齢者では、強いくしゃみや咳の衝撃が骨にダメージを与え、圧迫骨折につながることがあります。特に慢性的な咳がある場合、背骨に繰り返し負担がかかるため注意が必要です。
      対策: 重度の咳やくしゃみが続く場合は、早めに医療機関を受診し、咳を軽減する治療を受けることが推奨されます。また、骨密度を高めるための栄養補給や運動も予防に役立ちます。

      急激な温度変化

        リスク要因: 急激な温度変化により血圧が急上昇または低下し、ふらつきや失神を引き起こすことがあります。特に冬の寒い場所から急に暖かい場所に移動する際や、風呂場で温度差が大きいと転倒のリスクが高まります。
        対策: 暖房器具を適切に使い、移動する前に周囲の温度を確認するなどして、急な温度変化を避けることが重要です。浴室や脱衣所に暖房を設置するのも効果的です。

        過度の節食や栄養不足

          リスク要因: ダイエットや食欲低下により、カルシウムやビタミンDが不足すると骨密度が低下し、骨がもろくなります。栄養不足が長期化すると、軽い衝撃や圧力でも骨折しやすくなります。
          対策: 高齢者は特に、栄養バランスの良い食事を心がけ、骨の健康を保つことが重要です。医師と相談し、必要に応じてサプリメントを利用するのも一つの手です。

          睡眠薬や鎮痛薬の影響

            リスク要因: 睡眠薬や鎮痛薬は、ふらつきや意識の低下を引き起こしやすいため、転倒や圧迫骨折の原因になりやすいとされています。薬の作用で足元がふらつき、普段はしないような動きで骨に負担がかかることもあります。
            対策: 医師と相談し、薬の服用タイミングや量を見直したり、副作用を最小限に抑えた処方を検討することが重要です。また、服用後はゆっくりと移動し、転倒を防ぐ工夫をしましょう。

            過度のストレスや無理な運動

              リスク要因: 運動不足を解消するために、いきなり負荷の高い運動をすると、筋力が衰えている部分に負担がかかり、骨折につながることがあります。ストレスも骨の健康に悪影響を与えるとされており、骨密度低下の一因になります。
              対策: 高齢者の運動は、無理なく続けられる軽いストレッチや歩行を中心に行いましょう。ストレス解消には、趣味やリラックスできる時間を意識的に取り入れると良いでしょう。

              これらのポイントに気をつけることで、転倒や圧迫骨折のリスクを減らすことができます。

              Q&A

              Q1: 圧迫骨折の予防のために、日常生活で気をつけるべき意外な動作は何ですか?

              A1: 圧迫骨折は転倒だけでなく、くしゃみや咳の衝撃、急な体のひねりなども原因になることがあります。特に、骨が弱くなっている高齢者の場合は、体を急にひねったり無理な姿勢をとったりしないよう気をつけることが大切です。また、慢性的な咳やくしゃみが続く場合は、医療機関で相談して症状を軽減することで、骨折リスクを減らせます。

              Q2: 高齢者が家の中で転倒しないために、住環境で見直すべきポイントはありますか?

              A2: 家の中での転倒防止には、段差の解消、滑り止めマットの設置、照明の明るさ調整が有効です。また、トイレや浴室、階段に手すりを設置することで移動時の安定性が向上し、転倒のリスクが減ります。さらに、安定した室内履き(滑り止め付き)を使用することも効果的です。

              Q3: 圧迫骨折を予防するために食事で気をつけることはありますか?

              A3: 骨密度を保つために、カルシウムやビタミンDが豊富な食品を意識的に摂取することが重要です。栄養不足は骨をもろくし、骨折しやすくするため、バランスの良い食事を心がけましょう。

              まとめ

              今回は、腰椎圧迫骨折後に自宅生活する場合の注意点をご紹介しました。
              しりもちをつくことが、再転倒・再骨折のリスクになります。
              立ち座りをする個所は、しっかり確認して安全な自宅環境の提案が出来ればと思います。
              とても多い骨折の一つですので、注意点もたくさんあると思います。

              しりもちをつきやすい病気・バランスが悪くなる病気があります。
              診断名や既往歴から腰椎圧迫骨折がなくても、今回のような住宅環境の調整を検討してみてください。

              運動器疾患の学習をして、リハビリテーションの質を高めましょう。
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              • 地域における転倒予防

              最後まで読んでいただきありがとうございます。


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