リハビリ家屋調査 トイレ介護をなくすために

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家屋調査

トイレ動作は、在宅生活の中でとても重要な項目と思います。
自宅復帰できるかどうかの、分岐点と言っても良い評価項目かもしれません。

入院患者さんに対して、家族さんからのリハビリ希望は、「トイレが自立できるようになってほしい」がとても多い項目です。

このブログでは、トイレ動作自立のために、チェックするポイントを説明します。

この記事を書いた人
ビビ
ビビ
  • 理学療法士15年
  • 訪問リハビリ10年
  • 元宅建士の不動産営業マン10年
  • 福祉住環境コーディネーター2級
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トイレ介護は大変 自立を目指す

多くの高齢者が、深夜に1回はトイレに行きます。
介護者は毎日起きて付き添いする事になります。
毎日の付き添いは、大変です。

トイレの介護が必要になると、介護する人・される人24時間離れられない関係になります。
実際に24時間付き添っている家族さんがいます。

病院のリハビリでは、是非トイレ動作自立を目指してほしいです。
住宅改修においても、トイレ動作は自立を目指して環境整備します。

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トイレのドアの開閉にも注意が必要

トイレドアの開閉は、「開き戸」「引き戸」を確認してください。

理想は引き戸です。

改修が必要なトイレの戸は、「押して開くドア」です。
トイレ側に開くドアの場合には、廊下側に開くように改修を検討してください。
トイレ側に開くドアの場合には、トイレ内で転倒したときに、ドアが開かなくなります。

ドアが開く先に本人が倒れこんでいるために救助できなくなったり、大変時間がかかったりします。

ドアの改修

開き戸の場合

動線や廊下の幅などを考慮して、使用しやすい向きにドアの改修検討します。

ドアの開閉用に縦手すりを設置する。

引き戸に変更する場合には、照明のスイッチの位置も確認してください。
トイレドアを開けると照明スイッチが隠れてしまい、照明のON OFFが出来ないことがあります。

この場合、スイッチ位置の変更センサーライトを検討してください。

トイレ段差があるときは改修を検討する

トイレ動作で段差は関係ないと思いますか?
昭和に建築された建物は、廊下からトイレに入るときに段差を作っている住宅が多くあります。

※補足
廊下に比べトイレ室内は一段低くなるように建築されているのです。これは、昔の配管や排水機能が悪くトイレが詰まることがよくあったからだと聞いたことがあります。トイレの排水が詰まり水があふれてしまった時に、汚水の被害を最小限にするためにトイレを一段下げ、その室内のみにあふれた汚水が溜まるように設計されているということです。現在は、配管が詰まりにくく汚水があふれ出すこともほとんどないように思います。建築技術の向上やバリアフリーを取り入れた建築では、廊下と同じ高さでトイレを作るようになっています。

トイレ内の照明やスイッチ形状まで注意

一般的なスイッチ
大きなスイッチ

トイレ内の照明は、スイッチの確認をしてください。
「大きなスイッチ」「蛍スイッチ」「センサーライト」
など、使いやすい提案をしてください。

便座への移動・移乗動作を評価する

歩行器歩行の人は、トイレ内に歩行器を持ち込めないので、便座までの移動ができるかどうかです。
立ち上がり動作と合わせてL型手すりを設置を検討します。

便座の形

「洋式トイレ」「和式トイレ」
和式トイレは改修対象です。洋式トイレに変更しましょう。

便座からの立ち上がり

標準的な洋式トイレの便座は約40㎝の高さがあります。この高さで立ち上がりが難しい場合には便座を補高する福祉用具も販売されています。数センチ高くなるだけで立ち上がり易くなります。

手すり設置

トイレ便座からの立ち上がり動作で手すりを使用するケースがあると思います。

※私の考え
この時に、教科書通りの手すりをつけると良くないと思っています。一般的な教科書には便座の先端から30㎝の位置に縦手すりをつけて立ち上がるように記載されています。福祉住環境コーディネーターの資料にもこのように記載されています。座位で手すりを持つときは良いかもしれません。立ち上がった後は下衣の操作動作があります。この時に体の真横に手すりがある場合と、体よりも少しでも前に手すりがある場合では立位バランスはどちらが良いでしょうか。少し前に手すりがある方が立位バランスは安定します。ですので、多くの場合には手すりはもう少し前に設置した方が良いと考えます。より手すりを使った立ち上がりでは、縦手すりは垂直にするよりも少し斜めに設置すると握りやすくなります。
教科書通り設置するケースとしては、手すりにもたれて立位保持する場合があります。持たれながら立ち、下衣操作をする場合には垂直な手すりを使用した方が安定すると思います。
図1:一般型
図2:手すり前型
図3:斜め手すり

図2では、便座から30~40㎝前に縦手すりを設置する

図3では、手すりを斜めに設置する。握りやすく立ち上がりやすい←オススメ

清拭とズボン操作も評価します

立位保持の能力の評価が必要です。退院前に動作レベルを確認してください。
縦手すりにもたれて、下衣の上げ下げを行う場合も確認ですね。手すりの位置に影響が出ます。

温水洗浄便座(ウォシュレット)は、積極的に導入を検討してください。
衛生面でも良いと思います。
トイレ内にコンセントが必要ですので、チラッと確認してください。
同居の家族さんにもオススメします。

患者さんは、便秘が多いです。薬物療法による排便もありますが、排泄前の促しとして、ウォシュレットを利用されている方がいます。毎日の定時にトイレに行き、ウォシュレットを当てることで、排便コントロールができる場合があります。OTさんが訓練し、排便コントロールが自立した患者さんを数人見たことがあります。

その他のチェックポイント

トイレットペーパー

一人暮らしの場合は、トイレットペーパーの入れ替えや掃除も必要です。
介護保険で買い物や掃除をヘルパーさんにお願いする事もよくあります。

トイレットペーパーホルダーの場所も、トイレ介護の邪魔な位置にある場合があります。
位置を少し変更するだけです。

夜間のトイレと合わせて環境調整をお勧めの場所はコチラ

ドアノブ

ドアノブの形状も確認して、持ちにくくないかチェックしてください。
利き手交換をした患者さんは、注意です。

まとめ

自立への関心が高いトイレに関してまとめました。
排泄に関しては、リハビリパンツ・ポータブルトイレ、尿器など検討事項が多いので、個別性が高い項目です。

福祉用具も数多く出ていますので、情報収集を継続していくことが大切です。

トイレの介護量を軽減することが出来れば、本人・家族さんにとってもうれしいことです。
一度にすべて提案できなくても、退院するまで検討を継続しましょう。

小さな工夫が、大きな安心につながります。
ご質問がございましたら、お問い合わせからメールいただければと思います。


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最後まで、読んでいただきありがとうございました。


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